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【資格】技術士二次試験(情報工学部門) 口頭試験編 後編

色々あってだいぶ遅くなってしまいました。口頭試験ももう直前だと思いますが、後編を投稿します。
言い訳で申し訳ないのですが、この記事に書いてある対策は11月上旬~中旬から12月の試験に向けて集中的に実施しましたので、まだ間に合わないという事は無いはずです。

■出願まで:
pioneerinocean.hatenablog.com

■筆記試験対策:
pioneerinocean.hatenablog.com

■口頭試験編 前編:
pioneerinocean.hatenablog.com

口頭試験対策の方法

私自身が実施した口頭試験対策は2点に集約されます。

  • QAリストの作成とそれを使った練習(「QAリスト法」と勝手に呼んでいます)
  • 知識問題の学習

口頭試験の練習と言えば、やはりなんといっても模擬面接かと思いますが、私は受けませんでした。家族に面接官役をしてもらう方もいらっしゃるようですが、そちらもやっておりません。

QAリスト法

QAリストの作成

名前を付けるほどの事では無いのですが、面接試験では汎用的に使える練習方法なので、就職試験から技術士試験に至るまでこの方法を使い続けています。端的に言ってしまうと、 面接官の立場に立ってQを作り出し、Aを考える作業を延々と繰り返す だけです。

私自身のやり方としては、テキストエディタatomを使ってMarkdown方式でひたすらQAを作っていきました。
atom.io
atomである必要もないですし、Markdownで無くとも良いと思うのですが、Markdownを使うと、

- この業務で最も苦労した点は何か?
  - ○○を△△する点で苦労したが、◇◇といった工夫で対処した。
    - しかし、それでは××という問題点が出るのでは?
       - その点は■■という対応方式を検討し、対応する事を予め考えておいた。

というような形で延々と一つの質問から関連質問をぶら下げていくことができ、深堀してくのに視覚的に分かりやすいというメリットがあったことが大きいです。

肝心のQAリストをどのように作るか、という点は他の方の受験体験記(合否・部門関わらず)をひたすら読み漁って、基本的に出るであろう質問をピックアップし、そこからの関連質問は自分で考える、という作業になります。他の方の受験体験記やよく出る質問は、ネットで調べてみると大体出てきます。一般的に聞かれるといわれる「業務経歴」や「業務内容の詳細の説明」等も含め、全てQAリストにまとめます。

質問を考えるときは出来るだけ自分が聞かれたら詰まりそうな点を考えてみると良いです。そうやって考えた質問と回答は、本番で該当する質問が出なかったとしても、考えた結果が本番で出てくる質問の回答に転用できるケースが多いからです。(技術士試験は一度しか受験していませんが、今まで受けてきた口頭試験から得た経験則です。)

なお、筆記試験の答案に関する質問が来る可能性があるため、自身の答案を思い出し、筆記試験の問題に対する回答を再度練り直す作業も実施しました。私の場合、実際に筆記試験に絡めたと思われる質問を受けました。

練習

QAリストが"ある程度"出来たら、Aに該当する部分を実際に声に出し、スラスラしゃべることが出来るよう練習します。特に「業務経歴」「業務内容の詳細」に関わる部分は時間を指定されるケースもあるため、3分や5分などのパターンに分けて話しきる事ができるような練習を繰り返しました。声に出して覚える、という事も重要なのですが、口頭試験は誰でも緊張しますので、その時にテキストで覚えているのと、発話という運動ベースの練習を積んでいるのでは、雲泥の差があります(少なくとも私はそう思ってます)。

Qの部分は特に読む必要はなく、試験官を想定して口で聞かれた事を想像し、ひたすらAの部分を繰り返します。重要な点はこの作業はQAリストが完成する前から行う事です。もちろん、完璧なQAリストが出来上がってからやる形でも良いのですが、実際に発話してみると、「文語体で読みづらかった」「助詞がくどかった」等の問題が絶対に出てきます。そのため、QAリストの作成⇒練習というよりは、実際はこの作業を同時並行で進め、QAリストのブラッシュアップを繰り返し続ける、というような作業になるはずです。

知識問題の学習

知識問題とは、口頭試験で聞かれる技術士法などに対する対策です。これは全受験者が同じような回答をすることになるため、比較的対策が容易です。私の場合は以下の参考書を見て勉強しました。

知識問題はそれほど覚える事が多いわけではなく、技術士制度に関わる内容を覚えるだけのため、それほど苦労はしないと思います。ただ、人によって聞かれ方は異なるため、技術士法上の定義などはある程度しっかり読み込むことをおススメします。

なお、この本は知識問題部分だけでなく、口頭試験全般について扱っています。私の場合、QAリスト法の練習を主眼に置いていたため、それほど読み込みませんでしたが、代表的な質問等は載っているため、その部分はある程度参考にしました。

模擬面接を受けなかった理由

技術士試験の対策サイトを見ていると、大体のサイトに「模擬面接は受けるべき」と記載してあります。私も基本的にはその意見に賛成です。受けられるのであれば受けるべきだと思います。私が受けなかった理由は模擬面接に払う対価と受ける事のメリットが私にとってはあまり釣り合わなそうだ、と考えたためです。*1

まず、模擬面接の最大のメリットは本番の空気感を何となく知れることだと捉えているのですが、そのメリットが大きな方は是が非でも模擬面接を受けるべきだと思います。万人に通用するわけでは無いと思うのですが、私の場合、本番の試験でガチガチに緊張する事は無さそうという感触があったため、このメリットはあまり大きくないと感じていました。

次のメリットとして「自分も思いもよらなかった方向からの質問を受ける事が出来る」というのもあると思います。これも非常に大きいと思うのですが、技術士試験は国家試験である以上、試験官に差異はあれど、ある程度の枠組みが決まっておりそこから外れる事はそうそう無いはずと考えていたため、受ける大きな理由にはなりませんでした。あくまで私の捉え方のため、ご参考までに。

最後に「豊富な経験を持つ模擬面接官からの指導を受ける事が出来る」というのもあるかと思います。これは明確に不要だと考えていました。「意味が無い」と思ったというわけでは無く、私の場合、指導を受けると、それが気になって本来作り上げたものを練り直す事に繋がり、かえって調子を落とすのではないかと思ったためです。試験申込書の作成・筆記試験・口頭試験と全ての対策を同じ講師の方に受けられているのであれば、強力に効果を発揮すると思うのですが、「口頭試験だけ」だとそのようなデメリットがあるのでは?と思ったことが原因です。

否定的な論調となってしまいましたが、これは「コストパフォーマンス」の問題であって、3点目の指導は不要と考えていたものの、その他の2点はメリットだと考えており、単に費用対効果が自分にとっては少ないだろうな、という観点で受けなかったという事のため、ご自身のとってそのコストが払うに見合う物であれば、迷いなく受けられることをおススメします。

最後に

私は幸い一次・二次共に初回受験で合格を勝ち取ることが出来ました。運もあったと思いますが、このブログに書いた内容を繰り返し実施していたことが突破に繋がったと思っています。技術士になったからと言って、自分の能力が底上げされるわけでは無いのですが、やはり「凄い」と言って頂く事もありますし、何より自分の自信に繋がっていると思います。情報工学部門の技術士受験情報は本当に数が少ないと思いますが、もしこの記事がどなたかの受験の役に立ったのであれば幸いです。ぜひ、合格をつかみ取ってください。

*1:あくまで私の考え方です。受講費を安いと感じていれば受けたと思います。