意識低いサラリーマンでも続けられる投資手法
社会人になってから10年程度経ちますが、新卒入社後からずっと投資に手を出しています。
30代に入ってから、友人に投資方法を教えて!と言われることがたまにあり、毎回説明するのは面倒くさいので記事にしました。参考になる方がいらっしゃれば幸いですが、投資は自己責任です。この記事を基にして損失が出た場合も責任は負えないのでその点ご了承下さい。まだ追記するかもしれません。
一応の前置き
投資は自己責任というのと、私はファイナンシャルの専門家ではないというところだけ念頭に置いておいて頂ければ飛ばして大丈夫です。
この記事の想定読者
- 投資を始めてみたいけど、どこから手を付けるべきか分からない方
- 投資を始めてみたいけど、簡単にやる方法が知りたい方
- 投資を始めてみたけど、リターンが思うように出ない方
本記事は筆者の投資に対する考え方をまとめたモノです。また、繰り返しですが投資は自己責任です。この記事で取り上げるのは「人並外れて賢くもなく、意識も高くない普通のサラリーマン(私の事)が普段の生活を犠牲にしないで実践している投資手法」です。
これを読めばお金持ちになれる?
この記事の投資手法はこれだけで一攫千金というような性質ではありません。投資にはリスクがありますが、銀行にお金を預けておくよりは良いと私が考えている手法になります。テンバガー*1を狙いたいのであれば、他の記事や本を読むことをお勧めしますが、成果を出せる方は才能がある方です。そのような一握りの方はこの記事など読む必要はありません。
とりあえずロボアド投資。(Lv1)
以下の事だけ実施しましょう。
- まず、最低10万円を用意しましょう。
- ロボアドバイザーサービスのひとつ、WealthNaviのホームページを開きましょう。www.wealthnavi.com
- 「口座開設」のボタンを押して指示に従って口座を開きましょう。
- 口座が解説出来たら、10万円を入金しましょう。
- マイページから「積立」を設定して自分が毎月投資に回す金額を設定し、一ヶ月に一度入金されるようにしましょう。
- 一ヶ月に一度の入金タイミングあたりで、投資状況がどんな感じか眺めてみましょう。
以上です。これだけやっておけば後はロボアドバイザーが勝手にあなたの資産を運用してくれます。なお、ググって頂く手間を省いていただくためにリンクを張りましたが、上記をクリックしたとしても筆者には一銭のお金も入りません。Wealthnaviの回し者でもありません。
なんでロボアドを使うだけでいいの?
端的に言ってしまえば、投資に費やす労力無しに長期的にはリターンを得られる可能性が高いためです。我々は投資が仕事ではありません。プロが作った仕組みに投資をし、後は放っておきましょう。「えっ?そんなんでいいの?」と思われるかもしれませんが、それでいいです。
もう少し説明が無いと納得できない人向けに説明をします。以下は私のWealthNaviのポートフォリオ画面です。資産額等は塗りつぶしてあります。
資産の割合を見て頂くと米国株(VTI)・日欧株(VEA)・新興国株(VWO)の合計がおおよそ8割程度を占めている*2ことがわかります。このVTI・VEA・VWOというのは米国のバンガード社が運用しているETF*3なのですが、これらは米国、日本とヨーロッパ(正確にはアメリカ以外の先進国)、新興国それぞれの株式にまんべんなく投資をしています。
つまり、三段論法じみていますが、
- WelthNaviの資産の大半はVTI、VEA、VWOというETF(≒投資信託)に投資される。
- VTIはアメリカ、VEAはアメリカ以外の先進国、VWOは新興国の株式にまんべんなく投資される。
- 世界市場はアメリカ+アメリカ以外の先進国+新興国で(ほぼ)構成されている。
- よってWelthNaviに投資すれば8割くらいが世界市場を丸ごと買っているのとほぼ同じ。
ということです。要するに世界市場が成長すればあなたの資産も成長します、という事です。そして、世界市場は長期的にみると基本的に右肩上がりです。少なくとも今まではそうでしたし、今後も恐らくはそうでしょう。
「いや!世界市場がそもそも成長しなかったらどうするんだ!」というご意見もあるかと思います。私はプロでは無いのでそこを説明する事は難しいのですが、投資というのは投資対象に経済的な成長を期待してお金を突っ込む行為です。そして経済的成長というのは世界市場自体の成長とリンクしているため、そこを信じられない場合は投資は止めておいたほうが無難かもしれません。あとは、私はエンジニアなのでテクノロジーが成長し続ける限り、世界市場は成長すると思っていますが、もはや何を信仰するかに近い話になるのでこの辺で止めておきます。
なんでWelthNaviなの?THEOや楽ラップじゃダメなの?
ダメということはありません。私はWelthNaviとTHEOを使っていますが、ロボアドバイザー自体は一つのサービスだけで十分です。楽ラップは私自身が使ったことが無いのと、「何も考えずにやる」という前提の場合、楽天証券の総合口座開設が若干面倒かもと思い除きましたが、WelthNaviとTHEOはどっちでもいいとは思います。個人的な意見としては、WelthNaviとTHEOそれぞれのサイトにおける実績の見せ方が、WelthNaviは「サービス開始時点」からの運用実績を公表しているのに対し、THEOは「2007年からのシミュレーション」としているため、その点でWelthNaviの方が分かりやすいかなと思い、そちらを選んだだけです。「自分で選びたい!」という方はサイトや事業者の情報を見て信用できると思ったところを選ぶと良いと思います。
もっとやりたければインデックス投信。(Lv2)
何も考えずに投資をするのであれば、ロボアドで十分だと思いますが、もう一歩進んだ投資手法を書いておきます。といっても、こちらの方法も非常に簡単です。まず、やり方を書きます。
- SBI証券か楽天証券の総合口座を開設しましょう。ネットから申し込めます。
- つみたてNISA口座を設定しましょう。
- 信託報酬が安く、ノーロード型のインデックス連動型ファンド(=投資信託)を一ヶ月に一度つみたてNISA口座で積立購入するよう設定しましょう。
- つみたてNISA口座枠を使い切った場合、特定口座で同じファンドを買いましょう。
- 一ヶ月に一度の入金タイミングあたりで、投資状況がどんな感じか眺めてみましょう。
購入するファンドは「絶対これ」というのはありませんが、挙げるとしたら以下のような物です。私自身は「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim 全世界株式」を積立額の半分ずつ買っていますが、どれを選んでも大きな間違いはありません。
- SBI・バンガード・S&P500(SBI証券)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド(SBI証券)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(SBI証券・楽天証券)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(SBI証券・楽天証券)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(SBI証券・楽天証券)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)(SBI証券・楽天証券)
なんでこれだけでいいの?
理由はロボアドとほぼ同じです。これらのファンドはアメリカ又は全世界の株式市場全体に投資します。従ってアメリカ市場か世界市場が右肩上がりである限り、資産はそれに連動して成長します。要するに米国市場のS&P500指数に連動するか、米国市場全体に連動するか、世界市場に連動するかの差だけです。「なんで米国と全世界を並べるんだよ」と思われるかもしれませんが、世界的なパワーバランスや経済力を見ても分かる通り、米国市場というのは世界市場と並列にしても問題無い程度のパワーを持っているから、とでも理解しておけばとりあえずOKです。勿論、米国市場「だけ」がダメージを受ける事態が発生した場合、全世界の方がダメージは少ないでしょうが、全世界といってもその割合の多くは米国市場*4ですし、世界経済は各国経済がリンクして出来上がっている以上、米国単体でダメージを受けるということは考えづらいのではないでしょうか。リーマンショックは近視眼的かつ極端な見方をすれば、米国内の一企業が破綻しただけですが、その影響が世界中に広まったというのはご存知の通りかと思います。
ロボアドとの違いは何?
大まかに言うと2点です。
- 信託報酬(要するに運営元に払うお金)の割合。
- 株式のみに投資するか、貴金属や不動産、債券を組み入れるか。
ロボアドバイザーの手数料については、色々と違いはありますが、年率1.0%程度です。それに対し、「SBI・バンガード・S&P500」を例にとると信託報酬(=手数料)は年率0.0938%です。要するに運営元に支払う金額が違う、というのが大きな違いです。また、ロボアドバイザーは自身のリスク許容度に合わせ、金などの安全資産や株式より変動率が低いと言われている債権等を組み入れてくれます。一般論として、債券は株式よりリスクが低く*5、不動産は株式とは連動しづらいと言われます。貴金属は何も生み出さない代わりに、現金がスポイルされるのを防いでくれます。要するに、ロボアドの場合は、株式とは別の性質を持つ商品を勝手に組み合わせることで、何も考えずとも株式のリスクを抑えてくれる、という事です。
投信を買うタイミングはどうすればいいの?
まず、買うタイミングについては何も考えず、出来るときに実行してください。つまり、毎月20日に3万円ずつ積み立てで買うのであれば、それを何も考えず淡々とこなして下さい。一時所得が出来て、そのうちいくらかを投資に回すのであれば、出来るだけ早めに買ってください。重要な点は、「安い時に買おう」としないことです。短期的な投資をするのであれば、「安い時に買う」ことが全てですが、ここで紹介しているのは「長期に渡って市場の成長に合わせて資産を増やす」ことです。もし、1ヶ月前よりも値が下がっていたとしてもそれは一時的な物です。いずれ右肩上がりになるのであれば、長期的に見れば常に「今が一番安いとき」だと思って、買いましょう。
投信を売るタイミングはどうすればいいの?
この点は非常に簡単です。「現金が想定以上に必要になったら」です。後述しますが、自分の資産のうちどの程度を投資に回すかは考え方やライフステージによって大きく変わります。例えば、100万円を現金として保有し、100万円分の投信を保有しているとして、150万円の現金が必要となった場合、50万円分の投信を売れば良いだけです*6。ただし、この例で言うと、①100万円の現金+50万円の投信現金化 ②50万円の現金+100万円の投信現金化のどちらが良いかというと、端的に言えば①の方が望ましいです。NISAやiDeco口座でない限り、投資で得たリターンの20%程度が税金として徴収されますが、例えば100万円を年10%のリターンで運用し、5年間利益を確定し投資しなおした場合と、5年間保持し続け、最終的に売却した場合の利益を考えてみましょう。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 合計 | |
毎年利確 | 8万円 | 8.64万円 | 9.33万円 | 10.07万円 | 10.88万円 | 46.93万円 |
5年間保持 | 0万円 | 0万円 | 0万円 | 0万円 | 48.84万円 | 48.84万円 |
最終的に差分が出ていますが、これは税金として持って行かれる分を投資に回せたかどうかによって発生しています。勿論、これは仮の例ですが、税金を取られるタイミングを先延ばしにすると、投資の元金の観点から有利になるため、出来るだけ投信の現金化は先延ばしにしたほうが良いということがお分かりいただけるかと思います。
積み立ては全部投資に回せということ?
いいえ。そこの配分はご自身のライフステージとリスク許容度に合わせて決定してください。100-年齢を投資に回すと良いなどとよく言われますが、流石にそれは単純化しすぎだと思います。私自身は、何かあったときの生活防衛費や教育費、次年度支払う諸々の税金向けの貯蓄などを全て除外した上で、貯蓄に充てられる額の約半分を投資に回すようにしていますが、この点は人のやり方は参考程度にしかならない部分です。
損失が怖いんだけど。
インデックス型ファンドにおける理論上の最大損失は資産価値が0になる事*7です。例えば、投資比率が現金:インデックス型ファンド=50:50だとすると、50%の資産を失うリスクがあるわけですが、インデックス型ファンドが世界市場(or米国市場)全体に投資をしている以上、その価値が0になるということは現在の世界秩序が崩壊したFalloutな世界が来るということになるため、そこまで心配する場合はヌカ・コーラのキャップを貯めておいた方が良さそうです。現実的なリスクとしてはリーマンショックや昨今のコロナショックのような暴落が考えられますが、この場合の市場全体の最大下落率は概ね50%~60%程度であるため、現実的に起こり得る最も深刻なリスクとしてはその程度を捉えておくべきでしょう。
ただし、この下落率についても「リーマン・コロナショックが起こる直前を100とした場合」である以上、「リーマン・コロナショック直前に投資を開始し、いきなり株価が50%下がった」という事故に近いケースです。記載したように1月に1度買っていけば暴落した後にも購入することになり、世界経済が回復すれば長期的にはプラスリターンになるはずです。従って、リスクを意識する事は大事ですが、長期投資がそのリスクを和らげてくれる以上、必要以上にリスクを怖がってしまったり、暴落したことで投資を止めてしまったりすると、逆に機会損失になる可能性が高い事は念頭に置くべきです。
(参照:三井住友DSアセットマネジメントによるレポート)
https://www.smam-jp.com/documents/www/market/report/focus/global/20200327_COVID19_es1k.pdf
NISAやiDecoの活用は?
NISA or つみたてNISA、iDeco、企業型DC、ジュニアNISA、についての活用についてですが、こちらについては以下の通りです。
名前 | おすすめ度 | 説明 |
NISA or つみたてNISA | ◎ | 間違いなく限度額目いっぱいまで活用するべき。メリットだけあってデメリットは無い。 |
iDeCo | 〇 | 余剰資金のさらに余剰資金で活用するのはあり。60歳まで引き出せないという資金の流動性の低さが気になる。 |
企業型DC | △ | 本記事で取り上げたような低コストかつインデックス連動型などの良い商品が用意されているのであればマッチング拠出*8をしても良い。 |
ジュニアNISA | 〇 | 元々、子供が20歳まで引き出せない制度のため、使い勝手が悪かった。ただし、制度終了に伴って2024年から自由に引き出せるようになるそうなので、その点で有用性UP。 |
どの制度も税制的な優遇があるため、通常の口座(特定口座)よりはメリットがありますが、私の投資手法は資金をロックインする事を基本的に想定しておらず、引き出したいときに引き出せることが望ましいため、その点でNISAやつみたてNISAと比べると他の3つは少々優先度が下がります。ちなみに、現状私はNISAと企業型DCのマッチング拠出を併用していますが、企業型DCに用意されている商品が全然魅力的でないので、企業型DC加入者がiDeCoを併用できるようになった段階で、企業型DCのマッチング拠出をやめ、iDeCoを使おうと思ってます。
ロボアドのように債券や不動産などには投資しなくていいの?
オールウェザーポートフォリオという考え方があります。アメリカのヘッジファンドマネージャーであるレイ・ダリオ氏が考えた物ですが、このポートフォリオは「いかなる状況にも対応できるように分散された」ポートフォリオであり、比率として
株式:長期債*9:中期債*10:ゴールド:コモディティ*11=30%:40%:15%:7.5%:7.5%
の割合で投資することで、株価暴落のような場合にもリスクを下げる効果があるという考え方です。
www.iwillteachyoutoberich.com
が、私自身はこの方法は取りません。理由は単純で、債権をまともに買おうとすると資金の流動性が下がる(償却まで保有し続けるため)ことと、ゴールド・コモディティの考え方については先の「世界市場全体の成長」のようなロジックが見えていないからです。バックテスト*12では良い成績を収めているそうなので、「いかなる状況にも分散された」ということは資産全体の暴落を防げる=精神的動揺を防げるという観点では有用かもしれませんが、それであればロボアドに投資してしまったほうが手間や資金流動性の観点からはいいような気がします。
本質的な部分はここで終わりで後は蛇足です。Lv1又はLv2の投資が出来ていれば投資した資産は世界経済に紐づいて成長していくでしょう。
個別株やアクティブ型投信にも手を出したい。(Lv-1)
「楽にある程度のリターンを狙って投資をしてみたい」というのであれば、上記2つで十分です。むしろ、それ以外の事に手を出すと最終的にはパフォーマンスが落ちる可能性が高くおススメはできません。しかし、それでも「趣味として」投資にもう少し手を出してみたい場合のみ使う方法です。
個別株やアクティブ型投信でリターンを得ようとする行為は先ほどの「市場全体に投資」と異なり、世界経済の成長以上のリターンを得ようとする行為であって、はっきり言ってしまえば、素人が手を出すのはギャンブルと変わりがありません。また、個別株やアクティブ型投信に手を出すようになると、普通の精神力の人(私の事)は日々値動きをチェックし、それに無駄な一喜一憂をすることになります。要するに、無駄に自分の時間を割く事になり、かつギャンブル性が高い物に手を出す行為であることを十分に認識したうえで手を出すべきです。
手の出し方
先の2つの方法と異なり、個別株・アクティブ型投信自体の銘柄選定の考え方はありません。何故なら、これはギャンブルに近い行為である以上、競馬の予想方法に「これで勝てる!」などいうものが無いのと同じく、個人が好きな物を選ぶ他ありません。ただし、それでもあえて言うのであれば、以下の方法である程度のリスク低減が出来ると思います。
「ロボアド or インデックス型投資」と「ギャンブル投資」は口座を分け、9:1程度の割合にする。
先に書いたロボアド、インデックス型投資とこのギャンブル投資は完全に口座を分けるべきです。私はインデックス型投資にSBI証券、ギャンブル投資は楽天証券と分け、ギャンブル投資のお金は自身の趣味用財布や独身時代の一部資産からのみ拠出し、家庭全体の財産からは一切のお金を入れないようにしています。この9:1というのは「全資産」ではありません。「投資に回せるお金」のうちの9:1です。例えば100万円の資産があり、投資に回す割合を4割とするのであれば、現金:インデックス投資:ギャンブル投資=60万円:36万円:4万円の割合になります。フルインベストメント*13の場合は、9:1よりさらに低い割合でギャンブル投資を行うべきでしょう。というより行わないほうがホントはいいのですが…。この方法は私が何となく実践していた方法ではあるのですが、調べたところ「コア・サテライト戦略」という名前がついているそうです。
https://www.vanguard.com.au/adviser/en/core-satellite
個別株を買う場合、インデックス投資に組み入れられている株から選ぶ。
先に書いた通り、個別株やアクティブ型投信は好きな物を選べばよいですが、それでも多少リスクを下げるのであれば、インデックス投資に組み入れられている個別株を選ぶことで多少はマシになるかもしれません。例えばですが、ロボアドのところで説明したVTIについて言うと、組み入れ銘柄の上位5位はApple、Microsoft、Amazon、Alphabet(Google)、Facebookです。
www.vanguardjapan.co.jp
要するにインデックス投資を運用しているプロたちが「この銘柄は市場を占める割合が大きい」と判断しているわけで、インデックス投信と若干の相関性を持つ以上、やみくもに選ぶよりは若干マシなはずではあります。
仮想通貨や貴金属は?
これらはあくまで「お金の代わりに価値を保存する目的の物」であって、「投資」とは言えないと考えます。要するに、株式への投資の場合、投資家が出したお金で会社がさらに利益を生み出せばお金がお金を生んでいくことになりますが、仮想通貨や貴金属はそれ自体がお金を生み出さないため、ここで安定的にリターンを得られる人は個別株でリターンを上げるよりも至難でしょう。
全体のFAQ的な物
いろいろな物に手を出したとあるが、何故今は投信メイン+ロボアド・日米株なのか?
結局のところ、子育てや仕事に追われる中で時間をかけずに安定的なリターンを期待するのはインデックス投資が最も時間のコストパフォーマンスが良いからです。投資に手を出し始めた頃は今よりも時間があり、テクニカル分析、ファンダメンタル分析の本を読み漁り、週刊ゴールデンチャートも毎週買って…などということもやっていましたが、リターンは得られても掛ける労力が大きく、その情熱を維持し続ける事は中々難しいものがありました。仮想通貨なども話題になり始めの頃に買い、加熱したころに売るなどという所である程度のリターンを得られましたが、たまたまIT業界にいたからちょっと人より先に買えたというだけで、運以外の何物でもありません。
そのため、とりあえずインデックス投信やロボアドを使い、たまーに気が乗ったときに趣味のお金で個別株やアクティブ型ファンドを買うくらいなスタイルが時間とリターンの割合について一番収まりが良かった、といった所です。
ロボアド投資とインデックス投信は両方手を出すべき?
両方手を出してもいいし、片方だけでもいいと思います。どちらも大した手間はかからないので、興味があれば両方やれば良いですし、片方でもいいです。手間や興味などを完全にニュートラルな状態でどちらをやるべきかと言われたら、NISAが使えるという理由でインデックス投信でしょうか。
企業型DCにマッチング拠出はするべき?
これはYESともNOとも言えません。用意されている商品次第です。私の勤めている企業の企業型DCはお世辞にもラインナップが良いとは言えず、インデックス型投信の信託報酬が高かったり、アクティブ型投信は全然パフォーマンスの上がっていない商品しか無かったりして、正直マッチング拠出しているのが馬鹿らしい状況です。ただ、税制上の優遇という観点では強いため、商品に魅力を感じるものがあればマッチング拠出して損は無いでしょう。
終わり
以上です。予想以上に長くなってしまいましたが、やるべき内容は単純です。日本政府の目標インフレ率は2%と言われていますが、これが仮に達成される場合、お金を持っているだけでは、どんどん目減りしていくことになります。昨今のコロナ禍で身にひしひしと感じるところですが、人が動けば価値が生み出され、それが経済に反映されていきますので、株式への投資は人が生み出す価値を自分の資産に還元できるという点で、非常に有意義なものかなと思います。
*1:所有株式が10倍の価格になること
*2:WealthNaviは自身で設定したリスク許容度に従ってこのバランスは変わるため、全員がこうなるわけではなさそうです。私のリスク許容度は5段階中5で設定しています。
*4:全世界というのは「各国市場を均等に内包している」ではありません。例えば「eMAXIS Slim 全世界株式」の投資比率は、日本株が7.1%、日本を除く主要国が81.1%、新興国が11.1%です。
*5:ここでいうリスクは「悪い事」というより「不確実性」や「値動きの幅」とでも解釈してください
*6:当然ながら現金も投信も余剰資金であるという大前提です。
*7:要するにお金は無くなっても借金を背負うことは無いということ
*8:会社のお金に加え、個人で追加のお金を払うこと
*12:過去のデータでの検証
*13:全資産を投資に回す