AWS ソリューションアーキテクト アソシエイトを取得したので勉強方法など
今やIT業界で知らない者はいないレベルのAmazon Web Services(AWS)ですが、ソリューションアーキテクトアソシエイト(以下、SAA)認定を取得してみましたので、(100番煎じくらいですが)勉強方法などを共有します。
基本方針は
- できるだけお金を使いたくない
- ダラダラ勉強せずサッサと取りたい
の2点です。AWS Summit Tokyo2017までに間に合わせて合格者バッジが欲しいという事もあり、かなり短めの期間で臨みました。
自分のAWSと知識
試験要件
公式ホームページより。AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト | AWS
- 試験時間: 80 分間
- 本試験受験料: 16,200円(日本語版/税込)
- AWS における分散システムの可用性、コスト効率、高耐障害性およびスケーラビリティの設計に関する 1 年以上の実際の経験
- 最低でも 1 つのハイレベルプログラム言語についての深い知識
- AWS ベースのアプリケーションに関する要件の識別と定義についての能力
- オンプレミスと AWS の構成要素を組み合わせた複合システムのデプロイの経験
- AWS プラットフォームで安全性と信頼性の高いアプリケーションを構築するためのベストプラクティスを提供する能力
やはり情報処理技術者試験などと比べると高めですね。私は会社から取れと言われた訳でもないのも、自腹で受験しました。みみっちい話ですが、2万円弱を無駄にする訳にはいかない!というのは割りと大きな勉強のモチベーションとなりました。
試験対策
①「Architecting on AWS」の受講
手始めに会社の後輩からオススメされた以下の研修を受講しました。
aws.amazon.com
価格は$2100!それなりにしますね・・。ここは会社の研修制度で受講させてもらいました。
オススメかオススメでないかと言われると会社で受けさせてくれるならばオススメです。
受講の効果としては、
- SAA試験でかなり問われる「ベストプラクティス」を体系的に解説してくれる
- 今までちゃんと触ったことのないサービスも「どのように使うか」を体系的に習得できる
- 講師の方が試験で出るポイントを教えてくれる
など、やはりオフィシャルの研修だけあって、充実した内容です。。私の参加した会は30代〜40代の方が中心のようでした。
なお、この研修の難点を上げるとすると
- Qwiklabsを使ったハンズオン演習があるが、受講期間中のみしか利用できない。
- グループディスカッションと発表があるため、その類が嫌いな方には辛い。
- 品川会場で受講した場合、食事処が周囲に無い。
と言ったところでしょうか。特にQwiklabsの演習は研修後にも復習したいと思っていたため、少々残念でした。それなりのお金を払ってはいるので、受講後も演習ができるように是非していただきたいですね・・。受講期間中であれば、自宅からでも演習をやり直す事ができますので、期間中にマスターすることをおすすめします。
難点も挙げましたが、講師の方は自分の業務での利用を踏まえた質問等にも応じてくださるので、内容自体は価格に見合ったものを提供してくれる研修という印象です。
②本を読みながら手を動かす勉強
「Architecting on AWS」では各プロダクトの細かいところまでハンズオンで学習することはありません。受講後、デプロイの仕方の概念等は理解していても実際の利用経験が不足しているサービスが割りとありましたので、以下の本を読みながら、AWSサービスを実際に使ってみる経験を積みました。
AWSのサービスは良く手が加えられますので情報が古いところもありますが、AWSコンソール(GUI)とコマンドラインツール(CLI)双方で使い方が載っていますので、非常に分かりやすくオススメです。
基本的には、自分のAWSアカウントで使ったことの無いサービスを中心に触っていったのですが、やはり個人のアカウントでお金をかけたくないので、Qwiklabsも活用しました。
qwiklabs.com
全部が無料では無いのですが、無料でAWSサービスを触れるセッションも用意されています。Qwiklabsはその物が学習用のセッションを提供しているのですが、重要なのは無料で学習対象のサービスを触れる環境を与えてくれるというところです。つまり、QwiklabsでAWSコンソールを立ち上げつつ、実際は本に従って学習していく、と言う形で極力自分のアカウントを使わない(=お金を使わない)ようにしていきました。
③模擬試験の受験とサンプル問題の確認
試験の公式ページに案内がありますが、2160円で模擬試験を受験することが可能です。
また、各試験のサンプル問題がPDF形式で無料配布されていますので、両方とも実施いたしました。
aws.amazon.com
今回の学習の中でこれが最も効果がありました。自分の到達度を知ることができるというのも大きいですが、公式に問題だけあって本番にかなり近いレベルだったと記憶しています。(問題をコピーすることは出来ないため、記憶頼りですが・・。)
サンプル問題は全て答えがついていますので、答えを隠しながら自分で解いてみるのが良いでしょう。また、SAA試験だけでなくデベロッパーとSysOpsのサンプル問題もやっておくと良いです。3試験のサンプル問題をすべてやったとしても1時間以内には終わるでしょう。(もちろん、間違えた問題は何が間違いかを考える事が効果的な学習につながる部分です。)
模擬試験は受験直前に実力試しに受けるというよりは、ある程度学習が進んだあたりで一度受けてしまうことをおススメします。個人的な意見ですが、実力を測るという事も大事ですが、実際に問題を解く、間違えたと思われる答えの正解を考え直すなどの作業が模擬試験の効果が発揮されたところだったと思います。模擬試験は自分のPCで受けられますが、最終的な正解は表示されません。問題と選択肢を覚えておいて、後で何の問題を間違えたか考え直す作業が本番につながります。私は「Architecting on AWS」の講習を受けた数日後に受験しましたが、正解率45%で不合格でした。正直、もっと簡単かと思っておりましたが、現実を目の当たりにしたのでより集中して学習するモチベーションにつながりました。
④まとめ
最終的にかかったお金と期間をまとめてみます。
項目 | 費用 |
---|---|
Architecting on AWSの受講 | 0円(会社費用のため。実際は$2100。) |
Amazon Web Services実践入門 | 0円(会社に転がっていたため。実際は2,786円。) |
Qwiklabs | 0円(無料部分のみ) |
AWS使用料 | 500円 |
模擬試験 | 2160円 |
受験料 | 16,200円 |
学習方法 | 機関 |
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①「Architecting on AWS」の受講 | 3日間 |
②本を読みながら手を動かす勉強 | 6日間 |
③模擬試験の受験とサンプル問題の確認 | (②と並行) |
という事で自腹で払った費用は18,860円、学習期間は2週間弱、といったところです。やはり受験費用がそれなりにしますので個人で受けるとそこそこの支出ですね。
なお、結果は正解率66%で合格でした。他の受験体験記などを拝見したところ、65%程度が合格ラインとの記載が多くみられましたので、かなりギリギリだったと思われます。AWS Summitに間に合わせるため、かなり短い期間で受験に臨みましたが、実際はもう少し勉強しておくべきだったと反省しております。
ギリギリで合格したからというわけではありませんが、試験内容は思ったより難しかった印象です。「アソシエイト」レベルのため、正直「AWSは長年使っているし、使ったことのないサービスも概要は知っているし、大丈夫だろう」と思っていましたが、かなり広範にわたって知識を問われたという感じでした。恐らく、模試で「不合格」の現実を突きつけられなければ、本番も不合格だったかと思います。他の合格者の方ともお話したのですが、割と同じような意見を仰っておりましたので、AWS利用経験のある方もしっかりと準備をして臨まれるとよろしいかと思います。